離婚後「共同親権」導入

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DV、虐待対策の強化必要
党部会、民法改正案を了承

「共同親権」を導入する民法改正案を了承した党法務部会=21日 衆院第2議員会館

公明党法務部会(部会長=大口善徳衆院議員)は21日、衆院第2議員会館で会議を開き、離婚後も父母双方に子の親権を認める「共同親権」を導入する民法改正案を審査し、了承した。

改正案は、離婚後に父母一方の「単独親権」に限定している現行規定を改め、父母が協議して共同親権も選択できるようにする。協議が調わなければ、家庭裁判所が「子の利益」や家族関係を踏まえて判断。家庭内暴力(DV)や虐待が生じる恐れがある場合は、家裁が単独親権と決める。

会合で大口部会長は、子どもの利益を守る観点から、共同親権の導入と同時に、裁判所の体制やDV、虐待対策の強化、ひとり親支援の充実などが必要だと強調。党として法相などに提言していく考えを示した。

待望のトンネル完成

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兵庫・西宮市の国道、4車線開通へ前進
赤羽氏ら記念式典で祝辞

テープカットを行う赤羽氏(前列右から2人目)ら=12日 兵庫・西宮市

公明党の赤羽一嘉幹事長代行は12日、兵庫県西宮市で開催された、同市北部地域を通る名塩道路(国道176号)の生瀬トンネル(延長311メートル)完成記念式典に出席した。伊藤孝江、高橋光男の両参院議員らも出席し、テープカットや渡り初めが行われた。

名塩道路は延長10.6キロの主要幹線道路。山間部で道幅が狭く、渋滞解消や歩行者の安全確保、異常気象時の交通確保を目的に4車線化事業が進められており、約6割の区間で開通している。

現在整備が進む同市の名塩と生瀬両地区を結ぶ2.2キロ区間のうち、13日午前から約1キロにわたり生瀬トンネルを含む新ルートに交通が切り替えられた。今後、並行する現道の改良工事が行われ、2026年春に4車線として開通予定。

式典で祝辞を述べた赤羽氏は、30年余り停滞してきた4車線化事業を17年以降、自身の国土交通相時代を含め「国、県、市一体となって具体的な工事を進めてきた」と力説。引き続き地域住民の声を丁寧に聴き、「(一日も早い)開通をめざして頑張る」と述べた。

子育て施策の推進 加速化

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児童手当拡充、誰でも通園創設
公明のトータルプラン結実
党合同会議で改正法案大筋了承

公明党少子化対策・子育て支援本部(本部長=山本香苗参院議員)などは8日、衆院第2議員会館で合同会議を開き、公明党が推進してきた児童手当の抜本的拡充など少子化対策の具体策を盛り込んだ「子ども・子育て支援法等改正案」を大筋で了承した。今後の対応については山本本部長らに一任。政府は改正案の今国会提出に向け、来週中の閣議決定をめざす。

「子ども・子育て支援法等改正案」を審査した党合同会議=8日 衆院第2議員会館

支援法等改正案のポイント

●児童手当を抜本拡充(高校卒業まで支給など)
●妊婦支援給付(10万円相当)と包括相談支援を実施
●こども誰でも通園制度を創設
●産後ケア事業の計画的提供体制を整備
●児童扶養手当の第3子以降の加算額を引き上げ
●育休給付率を手取り10割相当に拡充
●こども金庫(2025年度)、支援金制度(26年度)を創設

会議の冒頭、山本本部長は、安心して子どもを産み育てられる社会の構築に向け、公明党が掲げる「子育て応援トータルプラン」の内容が、政府の少子化対策の「加速化プラン」に結実したと強調。「加速化プランを具体化する重要な第一歩がこの改正案だ」と述べ、国民に支援策を丁寧に説明していく必要性を訴えた。

改正案は、加速化プランの着実な実行に向け、ライフステージを通じた子育てに関する経済的支援などを強化する。子ども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるための特別会計「こども金庫」や、必要経費に充てる「支援金制度」の創設も盛り込んだ。

主要施策のうち児童手当に関しては、今年10月分(初回支給は12月)から、①高校卒業まで対象拡大②所得制限を撤廃③第3子以降は月3万円に増額――などの拡充を実施する。

また保育所などに通っていない子どもへの支援強化を図るため、親の就労要件を問わず保育所を利用できる「こども誰でも通園制度」を創設。育児休業取得の際に手取り収入を10割相当にする「出生後休業支援給付」を設けるほか、日常的に家族の世話や介護を担う子ども「ヤングケアラー」について、支援対象として法的に位置付ける。

一方、予算については2028年度までに年間3.6兆円を投入。財源は歳出削減と既定予算の活用、支援金で確保することとした。支援金は公的医療保険に上乗せする形で徴収し、初年度の26年度は総額6000億円、27年度は8000億円、28年度は1兆円を集める。

少子化対策、着実に実行

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子ども・子育て支援法改正案を聴取
党合同会議、政府と意見交換

「子ども・子育て支援法等改正案」の概要について政府側から説明を受けた党合同会議=6日 衆院第1議員会館

公明党少子化対策・子育て支援本部(本部長=山本香苗参院議員)などは6日、衆院第1議員会館で合同会議を開き、公明党が推進してきた児童手当の拡充など少子化対策の具体策を盛り込んだ「子ども・子育て支援法等改正案」の概要について、政府側から説明を受け意見交換した。

改正案は、政府の少子化対策の「加速化プラン」の着実な実行に向け、ライフステージを通じた子育てに関する経済的支援などを強化するもの。子ども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるための特別会計「こども金庫」や必要経費に充てる「支援金制度」も創設する。

政府側は、児童手当の拡充について、今年10月分(初回支給は12月)から①高校卒業まで対象拡大②所得制限を撤廃③第3子以降は月3万円に増額――を実施すると説明。また「こども誰でも通園制度」や、育児休業取得の際に手取り収入を10割相当にする「出生後休業支援給付」を創設すると述べた。

出席議員らは、誰でも通園制度の導入を円滑に進めるよう求めたほか、男性の育休取得促進に向け、出生後休業支援給付の着実な実施と、育休取得の理解を広げる広報・啓発などを要望した。

能登地震 文化財復旧に力注いで

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輪島塗など工房確保要請
政府に党文科部会

能登半島地震からの復旧・復興を巡り議論した党文科部会=6日 衆院第2議員会館

公明党文部科学部会(部会長=浮島智子衆院議員)は6日、衆院第2議員会館で会議を開き、能登半島地震への対応状況を文科省から聴取するとともに、復旧・復興への取り組みを議論した。

文科省は、石川県輪島市の黒島地区(重要伝統的建造物群保存地区)における建物被害や、金沢城跡の石垣崩落など文化財の被害状況を報告。現在、現地調査を実施しているほか、復旧へ財政支援を行うと説明した。

浮島部会長は、伝統工芸の輪島塗や珠洲焼など文化財を数多く有する石川県の復旧・復興について「文化をしっかり立て直さなければ経済も回らない」と力説。住居の確保などと併せて、なりわい再建の一環として文化財の復旧支援に注力すべきだと訴えた。

具体的には、工房が被災し、働く場所を失った職人らが再開を希望していると説明。避難先などで仮の工房を整備することも念頭に、対策を要望した。

計画進む「文化財修理センター」

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持続可能な保存・活用へ
文化庁が基本構想を公表

文化庁は、2030年度までに国立の「文化財修理センター」(仮称)を京都に整備する計画を進めている。美術工芸品などの有形文化財(以下、文化財)の修理を一元的に調整・管理する機関で、昨年末に基本構想が公表された。文化財修理の現状と課題、同基本構想の内容を解説する。

■修理は所有者責務だが人材・資金確保が困難

文化財は、国の歴史や文化の理解に欠かせない国民の財産であり、観光など地域の活性化にも重要な役割を果たす。この文化財を未来に残すには、10~20年ごとの応急修理や50~100年ごとの本格修理などを適切に施す必要がある。

修理は文化財保護法において、所有者の責務とされている。所有者の多くは、個人や宗教法人、地方自治体などで、修理が必要になった場合は個別に対応している。

 

文化財保護法

1949年の奈良・法隆寺金堂壁画の焼損を契機として文化財保護の機運が高まり50年に成立。文化財を「有形文化財」「無形文化財」など6類型に定義し、「国宝」「重要文化財」などに指定できると規定している。今月1日現在、美術工芸品の国宝に906件、それらを含め重要文化財に1万872件が指定されている。

 

文化庁が文化財修理センターの整備を進める背景には近年、人材や予算の不足などで、必要な修理を受けられない文化財が増えていることがある。

具体的な課題としては、修理全体をコーディネートする人材の不足のほか、修理の推進と質の管理を行う主体が不明確なこと、修理スペースの不足などが挙げられている。

加えて、文化財修理に欠かせない修理技術の継承や用具・原材料の確保が、関連事業者の減少などで困難になっている。

こうした状況を改善するため文化庁は21年、文化財の持続可能な保存と継承体制の構築を目的とした5カ年計画「文化財の匠プロジェクト」を策定。文化財修理センターの整備は、このプロジェクトの中に盛り込まれた。

 

文化財の匠プロジェクト

文化財の修理技術や必要な原材料を次世代に引き継ぐ体制を構築する文化庁の取り組み。2022~26年度の5カ年計画。選定保存技術保持者の増員や、補助対象となる原材料の品目拡大、文化財の防火・耐震対策などを進めることが盛り込まれている。

 

■一元的なサポートで官民の取り組み促進

今回公表された文化財修理センターの基本構想では、その役割について①修理の推進②調査研究を着実に実施するための修理・研究体制の構築③人材育成④情報発信(普及啓発)――を掲げ、持続可能な文化財の保存・活用サイクルの実現をめざすとしている。

具体的には、最新設備を取り入れた施設を整備し、修理の相談受け付けから資金調達のサポート、修理の実施・アフターケアまで一元的に業務を管理する。新たな修理スペースを確保し、修理技術と用具・原材料の調査・研究も推進する。

人材育成に関しては、文化財の所有者や博物館学芸員らに対する研修の充実を図るとともに、新たな人材を掘り起こすため、修理技術者をめざす人材と後継者を希望する民間工房とのマッチングを行う。

情報発信では、社会全体で文化財修理を支える機運を高めるため、修理の様子を見学できる場の提供や動画配信などを実施する。

さらに、文化財の修理は現在、主として京都国立博物館などにある修理施設を使って民間の修理工房が行っていることから、官民の修理業務を調整する司令塔としての役割も期待されている。

永岡桂子文部科学相(当時、中央)に文化財修理センターの整備などを求める党文化芸術振興会議=昨年6月 文科省

 

■公明、強力に推進

公明党は、文化芸術立国を進める観点から、文化財修理の体制強化を訴えてきた。

実際に、修理工房などに足を運んで関係者から状況を聴き、国会質問や政府への提言で支援の必要性を主張。21年には浮島智子衆院議員が国会質問で、修理の担い手の育成や必要な原材料・用具確保への支援を訴え、国として計画を整えるよう要請、匠プロジェクトの策定につなげた。文化財修理センターについても、昨年の党提言で設置を申し入れるなど推進してきた。