“コメ助のここが知りたい!” 旧優生保護法ってどういう法律?
公明新聞に「伊藤たかえ」の記事が掲載されました。
■遺伝性疾患の人らに不妊手術を強制。最高裁が憲法違反と認め国が謝罪。補償について検討が始まったよ。
A 旧優生保護法は1948年に制定され、遺伝性の疾患がある人を「不良」と見なし「社会のためには子孫の出生を防ぐ」という考え方(優生思想)の下、本人の同意がなくても強制的に不妊手術を可能にしていた法律だ。当初は、遺伝する恐れのある病気や障がいに限られていたものの、52年の法改正で精神疾患や知的障がいがある場合も強制不妊の対象に。この法律は96年まで続いたんだ。
国の報告書によると、同法を根拠にした手術数は少なくとも約2万5000件に上る。このうち、同意のない強制手術は1万6475件で、9歳の子どもにまで手術を行っていた。ただ、正確な被害者数の把握は困難とも指摘されている。
Q 問題が表面化したきっかけは?
A 2018年、宮城県の知的障がいがある女性の手術記録が見つかり、同法による強制不妊手術が憲法に反するとして、国に賠償を求める初の訴訟が仙台地裁で起こされたことだ。各地で被害者の相談会が行われ同様の裁判が相次いだ。
19年には、被害者に対して320万円の一時金を支給する法律が制定され、これまでに1110人が一時金の支給を受けているよ。
こうした中、7月3日に最高裁判所大法廷が旧法を憲法違反として国に賠償を命じる初の統一判断を示す判決を下した。同31日には別の被害者の裁判で国が和解金を支払うことで初めて合意する見通しとなった。
Q 今後はどうなるの?
A 最高裁判決を受けて、岸田文雄首相は同17日、裁判の原告らと面会して政府として謝罪。審理が続く全ての裁判で和解による速やかな解決をめざすとし、訴訟を起こしていない人も含め、幅広い被害者などを対象に新たな補償の仕組みを検討する意向を示した。
国会では、超党派の議員連盟で被害者らへの新たな補償について議論がスタート。公明党も被害補償を検討するプロジェクトチームを党内に設置し、今月1日には全国優生保護法被害弁護団、被害の当事者らから話を聴取【写真】したんだ。被害者救済に全力を挙げている