【参議院・兵庫 伊藤たかえ】政治評論家の森田実先生からエール

政治評論家の森田実先生が、ご自身のフェイスブック上で、私へのエールを投稿してくださいました。身に余るお言葉をいただき、感謝の念に堪えません。必ず仕事の結果をもってご恩返しをと、心に期しております。

心ある福祉を築く

森田実先生とは今春、公明党の石川ひろたか参議院議員(大阪選挙区予定候補)、熊野せいし参議院議員(全国比例区予定候補)と共に、“座談会”を行わせていただきました。その内容はブックレット『関西の未来をひらく』(第三文明社刊)に収められています。

森田先生は、公明党への期待をこう語ってくださいました。

「ある時期までは、ほとんどの政党が『福祉は政治の仕事ではない』と考えていました。それが、公明党の登場によって福祉が公的なものになった。前身も含めると60年余の公明党の歴史が、今の日本社会の福祉をつくってきたわけです。公明党こそが日本の福祉の最大の功労者です。その福祉をいよいよ完成させるのが、公明党に課せられた次の課題であり、責任です」

私自身にとって最も大きな「課題」と「責任」とは、「ヤングケアラー」の問題解決にほかならない――そう位置付けて取り組んできました。

ヤングケアラーの問題の背景には、日本の社会福祉が長らく抱えてきた“固定観念”が横たわっています。つまり「家庭内の問題は、家族が対応するものだ」という考え方です。もちろん、家族だけで対応できるのであれば、問題はないでしょう。子どもが家族を支えること自体は尊いことであり、決して否定されるものではありません。

しかし現代においては、「子どもだけではとても抱えきれない家庭内の問題がある」ことも事実なのです。それにもかかわらず、「家庭内の問題は家庭内で」といった旧来の価値観が“壁”となって、ヤングケアラー当事者が直面している“しんどさ”に、周囲の人々が気付きにくくなっているのも実情です。また同時に、「声をあげづらい。相談しづらい」と当事者に思わせてしまう“空気”になっている実態もあります。

そのような固定観念にとらわれず、介護が必要とされている親やヤングケアラーとなっている子どもたちを地域・社会全体で支え、「誰一人置き去りにしない」という心ある福祉を築いていかなければなりません。

ヘッセの代表作『車輪の下』

森田先生がフェイスブックの中で引用されていたドイツの文豪ヘルマン・ヘッセの代表作といえば、『車輪の下』が真っ先に挙げられます。

大人たちの利己主義や無理解などという重たい“車輪”の下でもがき苦しみ、やがて短い生涯を閉じることになる少年ハンスの半生をつづった小説です。暗記中心の詰め込み教育を批判した内容であるとともに、周囲の大人たちに見放され、誰からも理解されず、支えてもらえない子どもの苦しさと寂しさを描いた物語と見ることもできるでしょう。

実は主人公ハンスのモデルは、作者であるヘッセ自身であったと言われています。彼自身、少年時代にハンスと同じような実体験をしているからです。しかし、ヘッセには「支えてくれる大人」がいました。そして「詩人」になるとの夢を追い続け、読書に挑戦し、偉大な文豪になることができたのです。

子どもたちに支えの手を

フェイスブックの中で森田先生は、ヤングケアラー当事者を「困難な状況に置かれながらも手を差し伸べられなかった子どもたち」と表現されました。

困難を抱えた一人の子どもに対して、たくさんの「支えの手」が差し伸べられる社会を築くために。全ての子どもが自分らしく夢を追いかけ続けられるために――参議院議員として成さねばならない仕事は、山積しています。森田先生のご期待に、断じてお応えしていかなければなりません。