主張 肥料高騰対策
公明新聞に「伊藤たかえ」の記事が掲載されました。
補塡制度の創設で農家支えよ
肥料価格が高騰し農家への影響が懸念される。対策を急ぐ必要がある。
公明党は9日、金子原二郎農林水産相に対し、肥料高騰対策を柱とする食料の安定供給に向けた緊急要望を行った。
日本は肥料原料の大半を輸入に頼っているが、ロシアのウクライナ侵略の影響で主要生産国からの輸出が滞っており、燃油高による輸送費の増大や円安なども加わって肥料価格を押し上げている。
このため全国農業協同組合連合会(JA全農)は、今月から10月にかけて販売する肥料の価格を、昨年11月から今年5月までと比べ最大で94%値上げした。農家経営には打撃である。また、農作物の価格上昇につながれば消費者への影響も大きい。
そこで緊急要望では、肥料価格の高騰分を補塡する制度の創設を求めた。配合飼料や燃油については高騰時に農家を支援する仕組みはあるが、肥料向けの制度がないためだ。農家からも補塡制度を求める声が出ている。
この点について公明党の伊藤たかえ参院議員は5月31日の参院予算委員会で、「生産者への直接的な支援の検討も必要だ」と主張、金子農水相は「検討を進めたい」と答弁している。今回の緊急要望も踏まえ、政府は対策に乗り出してもらいたい。
こうした肥料高騰対策のほかにも緊急要望では、国際情勢の変化の影響を緩和し、食料を安定供給できるよう、さまざまな取り組みを求めている。
具体的には、水田の畑地化支援の拡充や、水田を区画してコメとコメ以外の作物を輪作する「ブロックローテーション」の促進に向けた基盤整備を要請した。
また、輸入小麦に代わる国産小麦や米粉の利用拡大を提唱し、コメ以外の食料自給率の向上へ支援強化を訴えている。
緊急要望の中で指摘したように、「生産者や産地が、前向きに農業を続けていくための支援」が求められていることを強調しておきたい。