リンパ浮腫の医療体制強化を

公明新聞に「伊藤たかえ」の記事が掲載されました。


患者交流会を開催/兵庫・西宮市

兵庫県西宮市でこのほど、がん治療の後遺症の一種として知られるリンパ浮腫の患者交流会が開かれ、公明党の竹尾智枝、里見孝枝の両県議、重久大学市議が参加した。関西各地や四国から集まった人に加え、オンラインで青森県や神奈川県などの患者が出席し、自身の症状や治療体験を共有した。公明党は国会議員と地方議員が連携し、当事者の声を行政に届けてきた。

■公明議員が行政との架け橋に

 「近くに安心して通える病院がないんです」。乳がんの手術後、リンパ浮腫を発症し、徳島県のクリニックに20年間通って治療を続ける山下加代子さん(西宮市在住、兵庫リンパ浮腫患者の会・代表)が切実な思いを語った。山下さんに呼応するように、全国各地から集まった参加者が自身の苦労や体験を次々と話した。

 リンパ浮腫は、体内のリンパ管やリンパ節が損傷することでリンパ液が体内に漏れ出し、腕や脚にたまってむくむ病気。がん治療の手術で、がん病巣の近くにあるリンパ節を切除した後に、後遺症として発症することが多い。

 完治は難しく、運動療法や圧迫療法を組み合わせながら、症状を軽減するための治療が必要になる。国内には現在、約15万~20万人の患者がいると推定される。

 リンパ浮腫ネットワークジャパンの調査によると、患者の76・9%がこれまでに医療環境で困ったことがあるという。同団体の岩澤玉青代表は交流会にオンライン参加し、「リンパ浮腫患者が誰一人取り残されないように行政へ支援を求めていきたい」と強調した。

■伊藤氏が国会質問で後押し

 公明党は国と地方のネットワークを生かし、リンパ浮腫患者の医療体制の強化をリードしてきた。昨年5月に山下さんから実情を聴いた重久市議は、同年6月や今年6月の定例会で市に診療体制の強化を要請。里見県議は今年6月の定例会で、「リンパ浮腫の診療に対応できる専門人材の確保・育成が急務」と訴え、県側に対応を求めていた。

 国会でも今年5月に、伊藤孝江参院議員が参院決算委員会で、リンパ浮腫施策の充実に向けた取り組みの実施を迫った。同月には、重久市議や伊藤参院議員が橋渡し役となり、鰐淵洋子厚生労働副大臣(公明党)へ岩澤代表らが、医療体制の強化や治療に必要な弾性着衣の支給療養費の限度額引き上げなどを求める要望を実施した。

 山下さんは、「国に私たちの声を届けていただき、感謝しかない。若い世代が治療しやすい環境を作れるように頑張っていきたい」と力説した。