【主張】被告人の人権 無罪推定に反する手錠腰縄着用
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公明新聞に「伊藤たかえ」の記事が掲載されました。
最高裁が先月26日、刑事裁判で被告人を手錠や腰縄を着けたまま入退廷させる運用について、全国の地裁と高裁に見直しを求める事務連絡を出した。法廷の出入り口についたてを置き、傍聴人から手錠と腰縄が見えないよう入退廷時に着脱する措置を想定しているという。確実に実施すべきだ。
被告人の人権に配慮することは法治国家として当然だが、現状は守られているとは言えない。わが国は憲法第31条で無罪推定を定めている。しかし、判決が確定していないのに被告人は身体を拘束する手錠と腰縄を着けられることが常態化している。大阪弁護士会のアンケートによれば、6割超の被告人が「罪人であると思われていると感じた」と回答している。
手錠や腰縄は逃走を防ぐためとされるが、複数の刑務官が配置され、逃げにくい格好をした被告人の逃亡は現実的ではない。被告人の立場を不当におとしめる印象操作との指摘もある。
この問題は日本弁護士連合会が、被告人の尊厳を守る観点から改善を強く求めている。公明党も違法な国家権力の行使から人権を守ることを重視し、改善を訴えてきた。例えば、2024年4月には伊藤孝江参院議員が国会質問で「手錠、腰縄をされている姿を衆人に晒されない権利がある」と強調。これに対し、当時の小泉龍司法相が「しっかり考えていく必要がある」と答弁していた。
残念ながら手錠腰縄問題は長年、見過ごされてきた。司法そのものが、国民生活から縁遠いことも要因だろう。世論の注目を集める冤罪判決が相次いでいることを受け、司法改革への関心は高い。専門家のみで司法のあり方を問う閉じた議論を脱却し、国民の良識を反映する開かれた議論が重要ではないか。

