冤罪防ぐ対策強化を

公明新聞に「伊藤たかえ」の記事が掲載されました。

 

検察の検証 第三者が妥当性示せ
大川原化工機事件受け党部会が法相に提言
取り調べ可視化の拡大訴え

横浜市の機械メーカー「大川原化工機」を巡る冤罪事件に関して、公明党法務部会(部会長=平林晃衆院議員)は8日、法務省で鈴木馨祐法相に対し、抜本的な再発防止に向けた提言を申し入れた。平林部会長は、同社の元顧問が勾留中に亡くなったことなどを念頭に「『人権の党』である公明党として、再発防止に向けた、さらなる対応をお願いしたい」と訴えた。

鈴木法相(中央左)に提言を申し入れる平林部会長(右隣)ら=8日 法務省

提言では、今回の事件について「不当な権力の行使によって、国民の尊厳と人権が侵害された深刻な事態であり、日本の刑事司法制度全体の信頼を根底から揺るがす重大な問題である」と強調。再発防止に向け、①第三者による検証②取り調べの可視化③保釈請求への対応の見直し④必要な医療体制の整備――の4項目について、対策を講じるよう要請した。

第三者による検証では、最高検察庁が8月に公表した検証結果報告書について、中立的・第三者的な視点によって検証することで妥当性を明らかにすることを求めた。

取り調べの可視化については、捜査のあらゆる段階で偽計的手法が用いられないよう、取り調べの録音・録画を大幅に拡大する必要性を提起した。

保釈請求への対応を巡っては、検察側が例外規定を主張して保釈を認めなかったり、黙秘や否認をしている被告人の保釈を原則反対したりしているといった指摘があることを踏まえ、こうした指摘を受けることがないよう適切な運用を求めた。

医療体制に関しては、刑事施設の被収容者に対する医療が適切に提供されるよう、各施設において必要な体制を整備し、外部医療機関との連携についても、さらに拡充することを要望した。

鈴木法相は、今回の事件について「捜査・公判上のさまざまな問題点や反省点は認識しており、重く受け止めている」との認識を表明。公明党の提言を踏まえ、検察に対する国民の信頼を回復するため、「しっかりと対応していきたい」と応じた。

大川原化工機冤罪事件

警視庁公安部が2020年、大川原化工機の社長ら3人を不正輸出の容疑で逮捕したものの、後に無実が明らかになった冤罪事件。同社の元顧問は勾留中にがんが見つかり、21年2月に亡くなった。起訴後の再捜査で疑義が生じたとして、検察は同年7月に起訴を取り消した。同社は東京都と国に損害賠償を求める訴訟を起こし、1審の東京地裁、2審の東京高裁ともに捜査の違法性を認定。その後、判決が確定した。