ヤングケアラー支援

公明新聞に「伊藤たかえ」の記事が掲載されました。

3月28日に成立した2024年度予算には、日常的に家族の世話や介護を担う「ヤングケアラー」への支援策が盛り込まれています。予算に計上された支援策の内容や国の動き、公明党の取り組みについて、党ヤングケアラー支援推進プロジェクトチーム(PT)座長の伊藤孝江参院議員に聞きました。

党ヤングケアラー支援推進プロジェクトチーム座長(参院議員) 伊藤孝江さん
■Q 24年度から始まる施策は
■A 進路相談の体制を整備/家事支援、法的に位置付け
アスカ 24年度から始まるヤングケアラーに関する主な施策は。

伊藤 国では現在、ヤングケアラーの支援体制を構築するため、各自治体の取り組みを促す補助制度を設けています。この中に、相談窓口設置の推進があり、24年度予算では進路やキャリアに関する専門支援員を窓口に配置した場合に、補助額を上乗せする措置を盛り込みました。

厚生労働省と文部科学省が21、22年に公表した実態調査によると、必要とする支援について「進路や就職など将来の相談にのってほしい」と答えた大学3年生は28.3%に上りました。公立の全日制高校2年生と公立中学2年生でも、それぞれ15%を超えていました。

アスカ この他には。

伊藤 公明党が成立を推進した改正児童福祉法が4月に施行され、支援員が各家庭を訪問して家事代行などの支援を行う「子育て世帯訪問支援事業」が法的に位置付けられました。また、市区町村への設置が努力義務化された「こども家庭センター」のガイドラインには、ヤングケアラーへの支援強化に向けた関係機関との連携が記載されました。

■Q 国の動きは
■A 改正法案を今国会に提出/対応の地域差解消めざす
アスカ 現在の国の動きを教えてください。

伊藤 国は22年度から24年度までの3年間をヤングケアラー認知度向上の「集中取組期間」と定めて啓発活動を展開しており、ヤングケアラーという言葉の認知度が上がってきました。支援を実施する自治体も徐々に増えてきた一方で、ヤングケアラーへの支援は法律による明確な根拠規定がないことから、地域による取り組みのばらつきが課題となっています。

このため政府は、ヤングケアラーへの支援を初めて法制化する子ども・若者育成支援推進法(子若法)改正案を今国会に提出しました。改正案ではヤングケアラーを「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義し、国や自治体の支援対象として明確に位置付けることで、地域格差の解消につなげる方針です。

ヤングケアラーの定義に若者を含めた理由は、大学生など経済的に自立していない18歳以降の若者を対象とするためです。成人すればケアの負担がなくなるわけではなく、切れ目のない支援が求められています。

■Q 公明党の取り組みは
■A ネットワークの力生かし、各自治体を強力に後押し
アスカ 公明党の取り組みは。

伊藤 ヤングケアラーへの支援を巡っては、私が21年3月の参院予算委員会で国による支援強化を主張したのに対し、当時の首相が「省庁横断的に取り組む」と答弁したことが追い風となり、厚労省と文科省による合同PTが設置され、省庁の垣根を越えた支援策の策定につながりました。

この後も公明党は、昨年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に関する提言や、党女性委員会の「すべての女性のためのトータルプラン」で政府に支援強化を要請したほか、各地の公明議員が実態調査や支援策を推進するなど、党を挙げて継続的に取り組んでいます。

今国会には、支援を法制化する子若法改正案が提出されていますが、一人一人に支援をきちんと届けるには各自治体での取り組みが重要になってきます。改正案の早期成立に全力を挙げるとともに、公明党のネットワークの力を生かし、今後も地方議員と連携して各自治体の取り組みを後押ししていきます。