肥料高対策、農家に支援金

6月分からコスト増の7割を補塡/伊藤(た)氏の訴え実る

政府は肥料原料価格の高騰対策として、コスト増加分の7割を補塡する新たな支援金を創設する。農家が6月以降に購入した分までさかのぼって補塡する。農家への直接的な支援を訴えてきた公明党の伊藤たかえ参院議員(参院選候補=兵庫選挙区、自民党推薦)の訴えが実ったもの。

政府が1日に開いた物価高対策を検討する「物価・賃金・生活総合対策本部」の実務者会合で農林水産省が説明した。化学肥料を2割減らす取り組みを行うことが条件。政府は、こうしたコスト抑制策を取らなかった場合に比べて、農産品全般の生産コストの1割削減をめざす。

肥料価格を巡っては、ウクライナ情勢を受け、肥料原料の産出量が多い国からの輸出が停滞し、国際市況が高騰。肥料原料を輸入に依存する日本も影響を受け、全国農業協同組合連合会(JA全農)は、6~10月の肥料の販売価格について、前期(昨年11月~今年5月)に比べ最大94%値上げすると発表した。農家の負担が重くなるほか、農産物価格の上昇も懸念されている。

価格高騰時に農家を支援する仕組みは配合飼料や燃油にはあるが、肥料向けにはない。

そこで、5月31日の参院予算委員会で、伊藤氏は、支援を求める農家の声を踏まえ「生産者への直接的な支援の検討も必要だ」と主張し、金子原二郎農水相が「検討を進めたい」と答弁した。岸田文雄首相が6月28日の記者会見で、新たな支援金の仕組みを創設し、実施することを表明していた。

■迅速な対応に感謝/JA淡路日の出代表理事組合長 相坂有俊氏

今回の肥料高騰に当たり、公明党は現場の窮状を聴いてすぐに対策に動いてくれました。

4月末に伊藤たかえ参院議員に相談したところ、1カ月後には国会で私たち農業者の声を代弁してくれ、今回の対策の発表に至りました。迅速な対応に感謝しています。肥料の高騰は農業経営に大きな影響を及ぼすので、高騰分の7割補塡は本当にありがたい。これからも現場に寄り添った政策を期待しています。