「夜回り先生」こと水谷修先生をお迎えして

 昨日(5日)も兵庫の各地にご挨拶へ伺いました。伊丹市、西宮市、神戸市中央区……なかでも三宮研修センターで行われたフォーラムや、加納町で開かれた街頭演説会、さらには神戸文化ホールで実施された時局講演会には、“夜回り先生”こと水谷修先生が応援に駆けつけてくださいました。

 水谷先生は長年にわたり「“夜の世界”には、薬物の売人など、子どもたちを食い物にしようとする大人たちがいる」と警鐘を鳴らしてきました。なんとしても子どもたちを守ろうと、夜の繁華街で声を掛ける“夜回り”を続けて来られた方です。

 暗い部屋でしゃがみ込み、明日に希望を持てず、「死にたい」とリストカットする子どもたちを助けるために、スタッフの方々と共に24時間体制で一人一人の悩みに向き合い、相談に乗ってもおられます。

「一人ではありません」

 子どもたちを守りたい――その一心で走り続けて30年。今から20年ほど前に、大きな“壁”にぶつかったそうです。どんなに手を尽くしても、足が棒になるまで歩いても、救うべき子どもたちがあまりにも多すぎて、手を差し伸べきれない。「自分自身の無力さを痛感した」とも。行政の首長や政治家に会い、協力を求めるものの、つれない返答が続くばかり……。

 そんな時に出会ったのが、当時、公明党代表代行だった浜四津敏子さんでした。苦しむ子どもたちを救いたいと訴える水谷先生の手を握り、涙を流しながら「きょうから水谷先生は一人ではありません。すべての公明党議員が水谷先生とともに、日本の子どもたちを支えていきます。日本の子どもたちのために闘っていきます」と応じられたそうです。「どれほど、うれしかったか、心強かったか」と、水谷先生は振り返っておられました。

 “しんどい”状況に置かれている子どもたちの多くは、自ら「助けて」という声をあげることはできません。体力的にも、精神的にも、そんな余裕はないからです。

 仮に声をあげることができたとしても、「自業自得だ」「それは家族が対応する問題だ」等々と言われ、周囲の大人たちに取り合ってもらえず、見捨てられてしまうケースも少なくありません。

 子どもたちの、消えてしまいそうなほどの「小さな声」を聞き取り、受け止める大人が、もっともっと増えていかなければならない――それが水谷先生の切実な思いでした。その「小さな声を聞く力」として、水谷先生が強く期待されたのが、全国の地方議員を中心に約3000人の議員が所属する公明党の存在だったのです。

チーム3000プラス1

 水谷先生は、マイクを通してこう訴えておられました。

 「公明党の地方議員の方々には、本当に頭が下がります。日々、靴底をすり減らし、自分の地域を歩き回り、『泣いている子どもはいないか』『生活に苦しんでいる人はいないか』『忘れ去られている人はいないか』『危険な場所はないか』と行動している。

 それを見つけた場合には、県会議員、国会議員が一挙に共に動いて、それを解決する――これが小さな声を聞く力なんです」

 ほかならぬご自身が、誰よりも「一人の声」「小さな声」に耳を傾け続けてこられた水谷先生は、約3000人の地方議員と国会議員が固い絆で結ばれている公明党を象徴する合言葉「公明チーム3000」を引用しながら、あえて「この表現は間違っている」とおっしゃいました。「公明チーム3000では、ありません。正式名称は『公明チーム3000プラス1』なんです」と。

 水谷先生ご自身が「公明党と共に」という思いを凝縮された一言であると拝して、胸に込み上げるものがありました。

小さな声を聞き取るには

 私自身、参議院議員となって1期6年。働けば働くほど、動けば動くほど、身をもって感じていることがあります。それは、どれだけ地方議員の方々に守っていただき、支えられているか――ということです。

「小さな声を聞く」と言っても、地域に根を張る地方議員の方々がいてくださるからこそ、聞き取れる声があります。つなげられる思いがあります。その「声」その「思い」を「カタチ」にするのが、国会議員である私自身の責務だ――そう心に決めて働いてきました。

 この「チームの力」こそ、他党にはない、公明党ならではの強みにほかなりません。