【主張】小学生ケアラー 健康や学業に影響、支援急げ

公明新聞に「伊藤たかえ」の記事が掲載されました。

小さな体で重い負担を背負い、人知れず孤立する子どもがいる。そうした実態が明らかになった。速やかに適切な支援につなげるべきである。大人に代わり日常的に家族の介護や世話を担う「ヤングケアラー」に関する厚生労働省の調査結果(7日公表)で、小学6年生の約15人に1人に当たる6.5%が世話をする家族が「いる」と回答した。

世話をする家族の内訳は、複数回答で「きょうだい」が71%と最も多く、「母親」の19.8%が続いた。世話の内容は食事の準備や洗濯、送り迎え、入浴やトイレの介助などで、その頻度は「ほぼ毎日」が半数を超えた。また、平日1日に世話に費やす時間は「1~2時間未満」が27.4%と最多だったが、「7時間以上」が7.1%に上った。

小学生のヤングケアラーの中に「お手伝い」の範囲を超えて家族を支える子どもがいる現状は深刻だ。世話をする家族がいる児童は、いない児童よりも欠席や遅刻、早退をすると答えた割合が高いことも判明しており、健康や学業への影響が強く懸念される。

また、調査の自由記述欄には「助けてほしい」「いつでも頼っていい人がほしい」といった切実な声がつづられている。相談先が分からず孤立している様子がうかがえる。支援の手を差し伸べる必要がある。

公明党はヤングケアラー支援に全力を挙げている。2021年3月には、伊藤たかえ参院議員が予算委員会で取り上げ、当時の菅義偉首相から「省庁横断のチームで寄り添った支援に取り組む」との答弁を引き出し、政府の取り組み強化につなげた。

具体的には、22年度から3年間を「集中取組期間」に設定し、ヤングケアラーに対する社会的認知度の向上を図るほか、福祉・介護・教育など関係機関の連携による自治体の体制整備などを後押しする。21年度補正予算や22年度予算に必要経費が盛り込まれている。

政府は今回の調査結果を踏まえ、一層きめ細かい対策を進めてほしい。