新年のご挨拶

 

「パリ協定始動」元年

 

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年、皆様には春の統一地方選、夏の参院選と息つく間もなくご支援を頂戴いたしました。
お陰さまで、統一選では兵庫県下70名の全員当選、参院選でも兵庫選挙区の髙橋みつお候補をはじめ、全国7選挙区完勝、比例区でも7議席を獲得させていただきました。皆様ご支援に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

2020年、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」が動き出しました。
パリ協定は、平均気温の上昇を産業革命前と比べ、「2度未満、できれば1.5度に抑える」ことを目指し、各国がCO2等の温室効果ガスの削減目標を定め、その対策を義務づけたものです。

その試金石として注目されているのが、船舶の安全や海洋汚染防止を担う国際海事機関(IMO)による2020年規制です。今年1月から、船舶による硫黄酸化物(SOx)の排出基準が世界一律で強化されました。船舶の燃料は価格の安いC重油が多く使われていますが、硫黄分が高い燃料です。そのため今回の規制により代替策が必要となり、排出抑制のためのコストアップと設備投資が求められました。

今回はSOxのみの規制ですが、今後、窒素酸化物(NOx)やCO2の削減が求められることは必至です。その対策コストは海運業者のみならず、物流コストとして、最終的に消費者の負担増につながることが予想されます。

ここで考えなくてはならないことは、約190カ国の国と地域がパリ協定に加盟し、温室効果ガス削減に取り組むということの本質的な意味です。誰かが一方的にその経費を負担する枠組みでは長続きしません。多くのステークフォルダーが公平に負担する。そこには消費者も含まれているでしょう。便利さを求めるのであれば、それなりの負担が必要です。IMO規制が、注目される理由はここにあります。

昨年夏、日本は猛暑、強力な台風、集中豪雨に見舞われました。世界各地で異常気象が続発しています。温暖化対策の強化は避けて通ることはできません。

国連のグテレス事務総長は、温室効果ガスの排出量が多い石炭火力発電所の新設中止を各国に求めましたが、日本は石炭火力を「基幹電源」と定めて新設を容認しているため、国際社会からの批判にさらされました。

環境性能に優れた燃料への転換には経済的負担という痛みがともないます。「パリ協定始動」元年、地球温暖化の時代に生きる私たちの覚悟が問われています。「よき塩梅に」という言葉があるように、日本には物事を調和し、進めていくという文化があります。温暖化が進んだ地球で、経済的な発展と人間らしい生活をどう調和させていくか。この難題を解決するには、日本的な発想を生かすことが重要だと考えます。

最後になりましたが、令和最初の年頭にあたり、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げご挨拶とさせていただきます。本年も宜しくお願い致します。

 

令和2年 元旦

伊藤たかえ